大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1110 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人増渕俊一の上告理由について。

論旨は、本件売買の目的物に隠れたる瑕疵があつたので、売買の目的を達し得な

いから、買主たる上告人に本件売買を解除する権利があるにも拘らず、原審がこれ

を認めなかつたのは、民法五七〇条に違反すると主張するものゝ如く解される。

しかし、所論瑕疵は、本件目的物の売渡当時既に存在して居つたものであること

を要するにも拘らず、原判決の確定する所によれば、本件売買の目的物引渡当時既

に所論の隠れたる瑕疵のあつたことは、到底認め得ないとされて居るのであるから、

上告人の所論解除の意思表示は、効力を生じ得ないものとせねばならない。これと

同趣旨なる原審の判断は正当である。

論旨は、原判決を正解せぬ所から出たものであつて、採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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